最近、心に残っているCMがあります。
それは、ACジャパンの「セトモノ」のCMです。
相田みつをさんの「セトモノ」という詩で、
CMの内容はこうです。
「ある男性と、向こうから歩いて来た別の男性の肩がぶつかる。
一方の男性はムッとした表情で相手をにらむが、
相手の男性は謝る。
すると、最初はムッとした表情だった男性も表情がやわらぎ、
軽く頭を下げる。」
セトモノとセトモノがぶつかると、壊れてしまう。
だけど、どちらかがやわらかければ壊れない。
「やわらかい心を持ちましょう」というのが、このCMのテーマです。
どちらかが「やわらかい心」の持ち主であれば、このCMのように
何事もなく通り過ぎて行くだけで済みます。
しかし、両方とも「セトモノ」だったなら、
つまり肩と肩がぶつかったという「事実」に対して「怒り」という反応を選んでしまえば、
揉めごとが起こってしまいます。
最近のニュースでも、歩きスマホやキャリーバッグが揉めごとの原因になって
障害事件に発展するケースをよく聞きます。
「セトモノ」のCMの中でも、キャリーバッグが、すれ違う人の足にぶつかる映像があります。
歩きスマホは、そもそもやらなければよい。
キャリーバッグは、人や物にぶつからないように注意していればよい。
これらは前提ですが、それでもぶつかってしまった時や
ぶつかられてしまった時に、自分がどんな反応を選択するかが重要です。
その選択によって、結果が変わってきます。
最近では、家から会社までの道中でこのCMを思い出すようになりました。
人とぶつかった時に「やわらかい」反応をすることも大事ですが、
相手がかなり固くてもろい「セトモノ」だった場合には、
いくらこちらがやわらくても、傷害事件に発展する可能性があります。
だから、最初から人になるべくぶつからないように心掛けています。
これも、「やわらかい心」の持ち主ということになります。
そして、この「セトモノ」の教訓は、日常の様々な問題への対処にも使えると思っています。
肩と肩ではなくても、意見と意見がぶつかった時などにも応用できます。
やわらかい心を持って、相手の意見にも耳を傾ける。
クレームの電話に対して、相手の気持ちになって考える。
このように考えることによって、今までと同じ「事実」に対しても
今までとは異なる反応、ポジティブリアクションを選択することができるようになります。
これを続けて習慣にできれば、今後「セトモノのCM」を忘れてしまっても、
やわらかい心は持ち続けることができるでしょう。